こんにちは広告運用歴5年の岡田です。
最近「AIによって広告運用はなくなる」と噂を聞くことが多いです。
そこで「広告運用はなくなるって聞いたけど大丈夫かな?」「将来性はあるのか?」と不安な方も多いと思います。
そこでこの記事では、実際に広告運用の仕事をしている私岡田が、広告運用が無くなるかどうか解説していきます。
結論、広告運用は無くなりませんが、これまでと同じやり方だけだと、確実に価値は下がっていきます。
ぜひ最後まで読んでみて下さい。
この記事で分かること
・広告運用がなくなるかどうか
・広告が無くならない理由
・広告運用の仕事で生き残っていく方法
それでは早速広告運用が無くなるかどうか解説していきたいと思います。
Web広告運用は無くなるのか?
広告運用がなくなるのか?無くなると言われる理由
そもそも広告運用がなくなると噂されるようになったのは、なぜなのでしょうか?
理由として一番大きいのは、AIの台頭です。
どの業界でも話題に上がっていますが、AIによって自動化が進むことで、人間の仕事が無くなるという風潮が広告運用業界でも流れています。
しかし、AIが発展しても仕事自体が無くなるというのは極論であり、無くなることはありません。
実際は一部の仕事内容がAIに取って代わられ、人間は人間にしかできない仕事が出来るようになるだけです。
例えば、広告運用においてAIに取って代わられる仕事の特徴は以下があります。
・決まったルールに沿って機械的に作業をする
・大量の情報を分析し、確からしい傾向を導き出す
このような仕事はAIでも出来ますが、そもそもの戦略設計の部分などは人間がやる必要があるため、広告運用の仕事は無くならない。と考えています。
それでは、続いて広告運用において具体的にどのような仕事が無くなるのか見ていきます。
広告運用において、なくなる仕事とは?
ここからは広告運用において、AIによってなくなると予想される仕事内容を解説します。
細かい運用調整
広告運用において、細かい調整作業はなくなる(ほぼなくなる)と考えています。
無くなるというよりも、人間がやることが少なくなるというのが正しいです。
例えば、入札の調整が挙げられます。
少し前まではまだ自動入札が発展していなかったため、人間によりキーワード単位で入札調整を行う必要がありました。
例えば、トレーダーのように数時間おきにキーワードごとの成果を見て、その都度確度の高いキーワードは配信を強める。のようにです。昔はこの見極めや分析が運用者の腕の見せ所でした。
しかし、今となっては自動入札があるため、このような作業はほとんどやりません。
AIがキーワードごとの分析をして、リアルタイムで入札単価を設定して、最適化を図っています。
実際に「AIによる自動入札」VS「人間の手動入札」でテストしても、ほとんどAIによる自動入札の方が成果が良いです。
そのため、運用の細かい調整などの仕事は今後無くなると考えています。
ちなみに他にも最近だとGoogleのP-MAXやMetaのASCなど、AIによる自動化プロダクトも出てきています。
これらは、クリエイティブや配信先など、これまで以上にAIによる自動化が進んでいます。
クリエイティブの大量生産
他にもクリエイティブの大量生産の作業は無くなる可能性が高いです。
私も広告代理店で働いていたのですが、すでにリスティング広告のコピーの文やバナー制作はAIに任せることも多くなっていました。
例えば、AIツールにURLを一本入れるだけで、ほんの数分ほどで、広告文が数百本も作られるものもあります。
これは人間が作るよりも早いですし、訴求のバリエーションも多く、はっきり言って人間より優れていると、働きながら思っていました。
すでにサイバーエージェントなど大手のweb広告運用代理店が、AIによるツールを出していますし、競合他社も追随するように似たツールを出してきています。
よって、クリエイティブの大量生産などの作業はなくなる可能性が高いです。
ここまで読んで広告運用の仕事をし続けるのに不安を覚えている方もいるかと思います。
しかし安心してください。一部作業がAIに代替されるだけで、広告運用は無くなることはありません。
次の章からは、広告運用が無くならない理由を解説します。
Web広告運用がなくならない理由
広告運用が無くならない理由は大きく2つあります。
AIが発展しても人間にしかできない仕事もあるので、そのような仕事は残ります。
詳しく解説します。
いくらAIが発展しても、結局は人間が管理する必要があるため
広告運用がなくならない理由の一つ目は「いくらAIが発展しても人間の管理が必要となるため」です。
AIに何か指示するのは人間です。
ここでは例を2つ挙げます。
例①:
先ほどの広告文が自動生成される例を挙げます。
確かにURLを入れれば自動で大量生産してくれますが、そもそものAIに読み込ませるLPを考えたり、広告文の方向性を指示するのは人間です。
例②:
他の例として自動入札の例を挙げます。
配信すべきキーワードや、ユーザーを遷移させる遷移先のLPの選定、目標の設定などは人間が管理する必要があります。
こういった管理する仕事は、人間が責任を管理する必要があるため最後まで無くならないと考えられます。
AIは人の感情やビジネスの背景まで読み取れないため
続いての広告運用がなくならない理由は「AIは人の感情やビジネスの背景まで読み取れないため」です。
AIはデータの分析などは得意ですが、人間の感情や話の背景を読み取るのが苦手なため、たまに微妙に意図しない回答を出してくることもあります。
例えば、間違ってはいないけど、そういうことじゃないんだよな。。というようなアウトプットです。
そのため、AIが正しく動くよう人間が正しく指示を与えたり、出てきたアウトプットを修正する仕事は人間の仕事として残ります。
Web広告運用者として生き残るために必要なスキルとは?
ここまで読んで「広告運用は無くならない事は分かったが、どうしたらAIに代替されず、広告運用で生き残っていけるのかな?」と不安な方もいると思います。
そこでここからは、広告運用者として生き残っていく方法について解説します。
「AIでは出来なくて人間がやる必要がある仕事」がポイントになってきます。
分析して次の打ち手を考える力
広告運用者として生き残っていくために必要な力の1つ目は「分析して次の打ち手を考える力」です
確かにAIは数値を集計して分析することは得意です。
しかし、その分析で得られた情報を持っているだけでは何の意味もありません。
得られた情報を基に新たなファインディングスを見つけ、更なる改善策などに広げていくことに価値があります。
その「更なる改善策に広げていく」仕事こそ、AIではなく人間が出来る仕事です。
例えば、バナーのABテストをしたとします。
AIだけでは、Aの方が成果が良かった。だけで終ってしましますが、人間なら以下のように思考を広げることが出来ます。
・なぜAが良かったのか
・消費者がAを選ぶインサイトは○○なのではないか。
・それなら、今度はAから派生して新しいバナーを作ろう
このように分析力を使った仕事は人間に残る仕事と言えます。
コミュニケーション能力
つづいて紹介する広告運用者として生き残っていくために必要な力は「コミュニケーション能力」です。
理由はAIで広告運用が効率化されても、その結果を説明したり、クライアントの悩みを聞き出すのは人間にしかできないからです。
例えば、相手の意図をくみ取った提案であったり、相手の理解度に合わせて納得してもらえるように説明するのは、人間にしか出来ません。
そのためこれから広告運用で生き残っていくには、コミュニケーション能力を高めておくことをおすすめます。
上流の戦略を決める能力
つづいて紹介する広告運用者として生き残っていくために必要な力は「上流の戦略を決める能力」です。
理由は、AIは指示した通りの運用を行うのは得意でも、そもそもの戦略を立てるのは人間がやる必要があるからです。
AIは正しく指示を出すことで初めて効果的に機能するので、そもそもの戦略を立てて指示を出す力が重要になるわけです。
例えば、売上を上げるために
・どのメディアにどれくらいの金額を投下すれば良いのか
・訴求すべきターゲットは今のままでいいのか。
・KPIをどこに置くのか
などは人間が考える必要があります。
上記のような戦略設計の仕事は残っていくので、今下流の仕事しか出来ていない人は、もっと上流の仕事に携われるようになる必要があります。
ちなみに広告運用者が普段どのように仕事をしているのか解説した記事もあるので、興味がある方はこちらも読んでみて下さい。
web広告運用の将来性は高い。その理由も解説
ここまで読んで広告運用が無くならない事は分かったけど、そもそも将来性としてどうなのか気になってる方もいると思います。
そのため、ここからは広告運用の将来性について解説します。
まずは広告運用の市場について解説します。
Web広告の市場は成長しており、今後も将来性が見込まれる
以下をご覧ください。電通が毎年発表している日本の広告費のデータです。
まずは赤枠を見てください。
2023年の「マスコミ四媒体広告費」と「インターネット広告」を比べると、インターネット広告の方が多く、マス広の1.5倍ほどの規模です。
更に黄色の枠を見ていただきたいのですが、マス広告は前年比96.6%と縮小しているのに対し、ネット広告は107.8%と拡大しているのが分かります。

引用元:2023年 日本の広告費 – News(ニュース)
https://www.dentsu.co.jp/news/release/2024/0227-010688.html
これは、マス広告費がネット広告費に移っているとも読み取れます。
つまり、それだけ近年は広告主にとってもはネット広告の重要性が高まっていることがわかります。
そして今後もインターネットメディアの拡大が予想されるため、それに伴いインターネット広告の需要も高まることは容易に想像がつくと思います。
マーケティング手法の中で、Webの重要性が増している
先程の例とも重複しますが、広告主にとってマーケティング手法の中でも特にweb広告運用の重要性は増しています。
今はネットを使わない人がいない時代ですので、マーケティング活動の中でも、いかにしてWebでユーザーと接点を持って、自社の商品をアピールすべきかが重要です。
そのため、web広告運用に詳しい人はどの企業でも重宝される時代になっています。
Web広告運用でキャリアップする方法
ここまで読んで、広告運用は無くならないし、むしろ将来性も高いことが分かったと思います。
最後に、将来性のある広告運用でキャリアアップしていく方法を解説していきます。
総合広告代理店に転職
web広告運用業界でキャリアアップする方法として、「総合広告代理店に転職する」方法があります。
総合広告代理店とは電通、博報堂をはじめとする「マスからデジタルまで全ての広告手法を扱う代理店」を指します。
一般的にweb専業の広告代理店よりも総合広告代理店の方が年収が良い場合が多いです。
近年はWebマーケティングの重要性が増しているため、総合広告代理店の中にもWebマーケティングの知識を持った人を募集する求人も多いです。
また先ほども申し上げたような「より上流の仕事をする」ために、総合広告代理店に転職する人も多いです。
年収アップやより上流の仕事に携わりたい人は、総合広告代理店に転職することも検討してみて下し亜。
Web広告代理店の中でキャリアップ
続いてのキャリアアップの方法は「Web広告代理店の中でキャリアアップする」です。
Web広告代理店は昔よりは給与水準が上がってきています。それに働き方も改善されている企業が多いです。
そのため、無理に違う環境に行くのではなく、まずは今いる会社の中でステップアップしてくことも検討しても良いかと思います。
事業会社のデジタルマーケティング職
続いては、事業会社のデジタルマーケティング職です。
近年はマーケティング活動の中でもデジタルマーケティングの重要性が増しています。
そのためどこ広告主もWeb広告の運用に強い人を求めています。
更に事業会社なら、広告代理店に依頼する前の上流の戦略の部分に携わることが出来ます。
ちなみにWeb広告代理店から事業会社に転職した体験談を書いた記事もあるので、興味のある方はこちらも読んでみて下さい。
まとめ
いかがだったでしょうか?
この記事では広告運用がなくなるかどうかについて解説しました。
結論、AIにって一部広告運用の業務は無くなりますが、まだ人間の仕事は残ります。
その中でより価値発揮していく方法も解説しました。
皆さんのキャリアの参考にしていただけ余すと幸いです。